屋根はシングル遮熱鋼板(単層構造)か遮熱鋼板ラップ工法(二重構造)か

工場など大きな建物の省エネを目的に、鋼板の室内側に遮熱材を直貼りしたシングル

遮熱鋼板施工をしてきました。これは、輻射熱の低放射性能を利用したもので室内環

境改善や省エネに貢献する事が出来ます。

 

しかしながら、遮熱材は同時に二つの性能を持っていて、仮に室内に熱の発生する装

置が有ったり、窓が多かったりするとこれらの熱を保温する働きをし、室内は反って高

温になります。更に、鋼板に遮熱材が貼ってあるので、屋根の温度は上昇し、音鳴りが

発生し易いと言う問題もあります。

遮熱鋼板ラップ工法は、普通鋼板の上にシングル遮熱鋼板を載せた二重構造ですが、

遮熱材の室内側に通気層を設けています。

これにより、室内天井付近の温度は20~30℃も低下、室内に熱の有る装置があって

も全く問題なく施工できる超高性能省エネ工法です。

更に、シングル遮熱鋼板の場合屋根上の鋼板温度が上昇したが、遮熱鋼板ラップ工

法は逆に温度が10~15℃も低下、音鳴りの要因を取る事が出来ます。

省エネの割合を見ても、シングル遮熱鋼板が30%位に対し、遮熱鋼板ラップ工法は何

と60%と驚異的な数値を示しています。

スレート屋根、折板屋根、瓦棒葺き等種々の屋根に使用されてきましたが、現在はビ

ル等のコンクリート建物への利用を進めています。

 尚、弊社は両方とも特許取得しています。

  シングル遮熱鋼板 遮熱鋼板ラップ工法
 
構造 単層構造 二層構造
大きな違い 屋根下側が高温
(屋根だけでは壁面からの
熱で屋根下側付近が
高温に、前面遮熱しても
室内から熱が発生すると同様)
屋根下が低温

(屋根下側は絶えず低温、
屋根施工だけでも問題ない)
省エネ効果 30% 60%
付帯設備 24時間壁温コントロール
システム、通気層
音鳴り防止効果 × 5℃程度上昇 ◎ 10℃程度低下
室内に加熱炉等 ×
窓からの熱の侵入 ×
新築
リフォーム
屋根が腐食
△ 要張替え 〇 部分補修で可
耐久性 30年 30年
特許 日本遮熱(株) 取得 日本遮熱(株) 取得
2024年06月17日